志戸坂峠とは、岡山県の西粟倉村と鳥取県智頭町を分かつ山地にある鞍部で、
その峠下を嘗て「志戸坂隧道」(竣工:1934年9月 全長:565m)にて越えていた。
現在は国道373号が「志戸坂トンネル(志戸坂峠道路)」(竣工:1980年12月 全長:1630m)にて越えている。
今は廃された旧隧道へ至るまでに、旧道が存在する。
志戸坂峠道路自身は高規格の自動車専用道なので、自転車や125cc以下のバイクでは、
行き来することすら能わないのだが、この志戸坂トンネルのみ通行できるようになっている。
旧隧道前は辺りから染み出した清水により路面が濡れておりじめっとした陰気な感じが漂う。
そりゃぁ、まぁそうだわな、この旧隧道が閉ざされている今、向こうに行く手段が志戸坂トンネルしかないものなぁ。
岡山県側坑門、ここも戸倉隧道同様コンクリート壁で塞がれているが、
その高さ1m足らずなので優に越えられる。
壁の右側は、不適切な落書きがあったため、
ぼかしの処理を入れている、ご了承願いたい。
写真では解からないが、隧道の「隧」の字が後からシールで張ってある。 間違いに気づいて修正したのだろう、恥ずかしっ。
いい感じに薄汚れた廃感漂うポータル。 4重のポータル環、奥3重分は石造りに見える、 何かの配管がトンネル内へ引き込まれている。 扁額は無いようだ
はて?排水溝というわけでもあるまいて? 何の穴なんだろうか。
決して閉塞しているわけではないのだが真っ暗。 路面には何かしら苔のような植物が覆っていて、じめじめと濡れている。 進入しようという気にはなれない。
反対側、なんと、隧道は幻の漬け物と呼ばれる 「板井原ごうこ」作りの作業場に利用されているのだそうな。
鳥取県側。トンネル手前に、落石覆いがあるためこう見えている。 坑口はもう少し奥になる。
上記の通り、この道は需要が無いわけではない。 しかし、2車線も要らないのだろう植生により1車線化している。 もとより、2車線あったのかどうか・・・なんちゃってじゃないのかしら?
地名を示す白看板。
反対側(岡山側)にもあったが、隧道開通記念碑。
両側ともに鬱蒼と陰気な感じがするのは、前日降っていた雨のせいだけではないだろう。
旧道の崩落地点。果たして修復されるのかどうか・・・
志戸坂峠道路はそのまま高架にて上方をパスし、「樽見トンネル」を経て麓まで下っている。 鳥取県側の旧道へは、「志戸坂トンネル」を出てすぐにICから下へ降りる。